聴読中国語、一周目終了! 書評とか

長かった…
一週間で5課のペースで進めていたので、だいたい12週、理論上は3ヶ月のはずですが、さぼったり予定より進まなかったりで四ヶ月くらいかかりました。

教材の進め方は、最初はシャドウィングをやりつつ意味を調べて、その後は何回かシャドウィングをして次に進む、という程度でした。
でも10課の中盤くらいから、時間はかかるわ、大変だわ、終わってもあまりマスターしていないわ、で辛くなってきたのでシャドウィングでは無く音読主体にしました。
先頭から一回読みつつ意味を取り、読み方や意味が分からない物は語注を見たりmp3を聴いたりします。
最後までいったら今度は最初から何度か音読して、 語注やmp3を参照しつつ覚えてない部分を潰していき、 先頭から最後までほとんどつまらずスラスラ読めたら次に行きます。

このやり方でも結構大変で、中盤は本当につらかったです。 途中あまりの辛さにもっと楽にしないと続かないなぁ、と思い、語注を先に音読したりといろいろ試しましたが、結局あまり辛さは変わりませんでした。 仕方ないので諦めて根性で押し切りました。
音声は最初は速読の方を使ってましたが、途中で辛くなってきたあたりで遅い方の物に変更しました。こちらでも後半はあんまし遅くなかったような…
コラムは飛ばしました。短文は気が向いた時だけ語注を見る位。どちらも二周目にやるつもりです。
一課の分量は、漢字のスペースあたりの意味のつまり具合の多さとピンインが無いので行間がつめてある都合で、 ぱっと見の印象よりもずっと大変でした。 たぶんこの本の一課は、速読英単語の一課の、三倍くらいの分量に相当するんじゃないでしょうか?

教材は不満の残る所も多いですが、それでも今販売されている中国語の参考書の中ではダントツの出来でしょう。何より分量が多い。
ピンイン離れを目指していた私には、この本文にはピンイン無しで語注にはピンイン有り、というのは理想的でした。
持ち運びも容易で他の物も要らないのでmp3プレイヤーと本書だけで数ヶ月勉強が出来ました。 意図の通りの教材に仕上がっているんじゃないでしょうか。

気に食わない所も結構あります。 まず、既に出た語の語注は無い所。これは速読英単語と大きく違う所です。 忘れがちなのでここはなんとかして欲しかった。
そして、コラムや短文で出た単語は、既出と扱われる点です。短文は分からないでも無いですが、コラムは酷い。 一度コラムに出たら語注は無いのです。これは無いと思う。 コラムみたいなただの単語の羅列(グループになっているとはいえ)を全部一発で覚えられるなら、 そもそもこの本で語彙力アップなんてしないと思うのですが。
また、巻末のindexがページ数じゃなくて、何故かコラムや課の番号です。 49と書いてあると49ページじゃなくて49課、という意味。 これが何ページかは分からない。しかも課の方ならいいけどコラムの場合も番号です。 何番目のコラムが何ページにあるかは分からない。 このindexは引く為にあると思うのですが、なんでこんな作りにしたんでしょうか?
そして、語注の中でどの意味が本文に対応しているか分からない事です。 形容詞として使われている単語も、語注では動詞の意味や用法が先に太字で書いてあって、 その後に細く形容詞の用法と意味が書かれていたりします。 たぶん著者がフィーチャーしたい用法を先に持ってきているんだと思いますが、 この構造だと無意識に先頭の単語に意識が行ってしまうし、 また、単語の意味が大きく原義から外れて文脈で解釈しなくてはいけないようなケースの時、 最後までどの意味が使われたのか良く分からず、なんでその訳になるのか分からない文が幾つかありました。
また、各課で、微妙に暗い話が多く、しかも先に進むとどんどんそういう傾向が増していき、 その辺は好みにあいませんでした(それほどでもありませんが)。

そんな訳で速読英単語と似ているようですが、速読英単語に比べると随分と粗が目立ちます。 それでも、競争の激しい受験参考書業界で鍛えられた参考書と比較しなければ、 聴読中国語はとても良い物です。
新規の単語には全て語注が付くので完全に辞書が必要無いですし、 何よりも分量が多い。 後半は、読むのに慣れてきて語彙も増えてくるので、 これまでと同じ分量でも大分楽に進められるようになりました。
そろそろピンイン離れして原書を読むステップに進みたい、と思っている人には、 オススメです。これだけ不満の要素が多くても、今の中国語参考書の中では100点満点をあげられます。

今後は2周目に入ります。基本音読で、読めない所は語注を見る、という形を考えています。 何周回すかはまだ決めていません。2周目をしばらくやってから考えます。

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